Dr.ミール店長 田所

私の経験から……。2年前にがんと診断を受けました。まさに晴天霹靂でした。
すぐに速やかに抗がん剤治療をうけることになりました。
「抗がん剤治療をし始めて、2週間したら脱毛が始まります。癌細胞をやっつけるための治療だけど、癌細胞とよく似た活発な働きをする髪の毛の細胞にもお薬が効いているということだからだから、頑張りましょうね」とお医者さんや看護師さんに励まされながら、なにを頑張るのかわからないまま迎えた2週間目。本当に……言われたとおりに髪の毛が抜け始めました。わかっていても…覚悟はしていてもショックでした。

少しずつパラパラと抜けるのではなく、私の場合はシャンプーをした時に両手にいっぱい、いっきにごっそり抜ける……そんな表現がピッタリって感じでした。その時”かつら”も”帽子”も用意していなかったので「どうしよう!!」と焦りました。

実際には初めての経験で予想もつかず、もしかしたら私は抜けないかも…、そんな気持ちも心の片隅にはありました。がんの治療を始めると決まったらすぐに ”かつら”もしくは帽子は用意しておいたほうがいいと思います。

私の場合は社長に相談にして、激しく脱毛が始まった頃、思い切って丸坊主にしました。
いざバリカンを入れる瞬間はなんとも言えない気持ちでしたが結果として良かったと思います。
地毛を残さないほうが”かつら”はフィットして自然に見えますし、装着もしやすく手入れも楽です。
何より、毎日ゴソッと抜け続ける髪の毛の掃除や、抜けた髪の毛を見なくてすむだけでもかなりの心の負担の軽減につながると思いました。
抗がん剤が終わると髪の毛はまたはえてきます!

私の場合は抜け始めた日に慌ててかつらを買いに走ったのですが美容師さんのいないところでは原則髪を切ってはもらえません。行きつけの美容室、病院の床屋さんに行ってかぶったままでカットしてもらったらよいと思います。ただ、既製品のかつらの微調整はかつらを買った所でしてもらう必要があります。頭の大きさや形は人によって違うので、既製の”かつら”だとその調整が上手くて、なかなかかつらが自分にフィットしません。(既製品のかつらは大体大中小のサイズに自分の頭を合わせるって感じです。)療養中だから、療養中だからこそかつらは長く使えるオーダーメイドで準備すべきと思います。
実際ひと通りの化学療法が終わって、かつらを卒業するまで2年弱かかります。

私の行きつけの美容院は個室や、カーテンで区切ってくれましたが、やっぱり人目は気になるので帽子も持参しておいたほうが安心です。
かつらのカットは短くしてしまうと延ばすことはできませんから、最初は長めに調節しておいて、徐々に短く整える方法をお勧めします。

“かつら”には化繊100%と人毛100%と化繊&人毛ミックスの3種類あります。見た目は人毛が自然ですが、重量感があるし、傷みやすいというお店のスタッフの方のアドバイスで化繊と人毛のミックスにしました。

“かつら”は専用シャンプーもありますが、基本は今まで自分の使っているシャンプーで十分!洗った後はよく水気を絞って、タオルで水気をさらに拭き取った後は、専用のスタンドにかぶせて、自然乾燥。もちろんドライヤーでセットもできます。

脱毛の始まった頭皮は、シャンプーを泡立てて、やさしくなでる程度に洗うくらいでよいと思います。
また私のように坊主にしていると普通の石鹸で洗えます。
敏感ですから、ぬるま湯でやさしく洗うのがベストだと思います。
“かつら”は形状記憶仕様ですが、セットもしてくれます。スタイリング剤も使えます。
基本は自分の髪と同じように扱えます。ただ形状記憶も時間がたつとゆるくなります。
その時は数日預けてメンテナンスしてもえばほぼ元通りになります。2個用意している方もいらっしゃいましたが、私は1つで充分でした。

社長に頼んでDr.ミールでもやさしくフィットする、多くは癌と闘う人たちのサポートにオーダーメイドのかつらを作ってもらえるようにしました!
治療をしている人たちの状態は心理的にも環境的にも特別と思います。
医療用かつらの品質そのものは通常のかつらと同じですがそれを使わねばならない方の気持ちの分かち合いが大切と考えています。
そんな経験者だからこそコーディネートできるかつらをと2年かけて準備してきました。
社長のお友達のかつら一筋の方の手作り、オーダーメイドの商品を「マイフィット」としてDr.ミールから誕生させることにしました。